タンザニアにおける新型コロナウィルスの状況

現地紙に掲載されたこの写真、タンザニア大統領と野党党首の会談の時のものです。サッカー遊びに興じているわけではありません。コロナウィルスへの感染を避けるため、握手代わりに足で挨拶しているのです。

じつはこの写真、撮影されたのはタンザニアでコロナウィルスの感染者が初めて確認される以前の3月3日に撮られたものです。平時であれば「何を馬鹿なことを」と思わせるようなこの写真は、タンザニア政府がいかにコロナウィルスを警戒していたかを如実に物語っています。

実際、1月には空港で中国からの渡航者を対象とした検温スクリーニングが行われており、2月には各地でコロナウィルスに対するセミナーが実施されました。

タンザニアでコロナウィルスの初感染者(タンザニア人女性)が確認されたのは3月16日。彼女はヨーロッパからの帰りで、15日にキリマンジャロ空港に到着し、アルーシャに移動した後、体調の不調を訴え16日に病院で検査。検体はその日のうちにダルエスサラームに運ばれ、同日のうちにウィルスへの感染が確認され、さらに同日中にテレビで全土に報道、発表されました。政府の対応は非常に素早かったといえます。

その後22日までの段階で、感染者は18日に2名、19日に2名、22日に6名の計12名が確認されています。感染者の容態は比較的安定しているようで、死者はまだ出ていません。

感染が確認された12名の内訳は、タンザニア人が8名、外国人が4名で、1名を除く7名がすでに感染が発生している海外の国からの帰国者ないし入国者となっています。居住場所別ではアルーシャ1名、ダルエスサラーム3名、ザンジバル1名、情報なし7名です。この12名以外にも、22日に20名が検査を受け、陰性の結果が出ています。

このほか海外渡航の自粛、集会・イベントの中止、公共施設・交通機関への消毒剤の設置義務化など、タンザニア政府は矢継ぎ早に対応を打ち出しましたが、初感染者確認からわずか1日後の17日には、大学を含むすべての学校の1ヶ月間閉鎖を命じたのにはさすがに驚かされました。

その一方で、外出禁止や出勤停止にまでは今のところ踏み込んでいません。素早く手を打つことで感染拡大を封じ、他方、経済へのダメージは最小限に抑えようということでしょうか。日曜礼拝なども禁止されていません。

ただ、旅行者や現地滞在者にはかなり厳しい状況が生まれています。タンザニア政府は23日、感染国からのすべての入国者に対して、政府指定場所への2週間の強制隔離を発表しました。

今からタンザニアに入国しようという人はそれほどいないでしょうが、問題は出国です。政府は出国制限はかけていませんが、航空各社が運行を停止しつつあります。ターキッシュエアは21日に、エミレーツ航空は25日から全便の運行を停止、カタール航空が26日から、KLMも29日から停止します。隣国ケニアも25日深夜から旅客を乗せる国際線は全便運行停止となり、出国便の確保が非常に困難になりつつあります。

日本-タンザニアの渡航に際し比較的使われる国際線で、タンザニア発でまだ運航しているのはエチオピア航空ですが(オマーン航空も運航しています)、今の状況ではいつどうなるか分かりません。

JICAは世界各国に派遣されている青年海外協力隊員全員の帰国を決定しており(すでに一部の国からは帰国済み)、帰国される方は、とにかく一刻も早く航空便の確保をされますよう。

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